ホテルのお部屋ってどうやって決まっていくのかな。
いい質問だね。カピバラくん。
ホテルではお部屋を割り当てることを”アサインする”っていうんだ。
お部屋のアサインのやり方
ルームアサインとはお客さんに割り当てる実際の部屋選びです。
もちろん全て闇雲に選ぶわけにはいかないですよね。
ホテルのフロントスタッフは、プランにあった部屋をアサインする事でお客さんに予約に沿った部屋を提供します。
ルームアサインにおいて三つのポイント
- 施設や部屋の構造を理解する事
- 予約・プランを確認する事
- 事情や希望を確認、考慮する事
施設や部屋の構造を理解する事
大事な要素ですね。
ホテルのお部屋を十分に理解する事で、どこにアサインすれば良いかを探ります。
最も基礎的な東西南北の方角や、部屋の造りと施設全体の造りなどを知っておく事
頭に入っていることは部屋の位置を単に説明するだけでも十分役に立ちます。
個人的におすすめな方法は、Google MapやGoogle Earthで建物を上から見たりして客観的なイメージをつけておくことでさらに理解度が上がります。
予約・プランを確認する事
予約やプラン通りの部屋や宿泊特典である内容を確認します。
ちょっと言い過ぎかもしれませんが、魚屋行って鶏肉買う人はいませんよね。
ダブルの部屋を予約したのにツインベッド(一つの部屋にベッドが二つあるタイプ)の部屋を案内されれば『ちょっとまって!』ってなりますよね。
若いラブラブカップルなら興ざめし、
熟年の冷えたカップルなら『あら、丁度良かったわ!』なんてことが起きるかも。(笑)
でもちゃんとプラン通り約束したお部屋を提供すべきですね。
またプランによっては、アップグレードを確約したり、景色を確約するプランもあります。
アサイン次第で到着時にお客さんの気分が上がり下がりしたり、ここは対応に難しい要素もありますね。
事情や希望を確認、考慮する事
例えば高齢の方で、歩くのが少し困難なお客さんがいます。
エレベーターから何十メートルも離れた部屋をアサインしたら可哀想ですよね。
こういった個々の事情を汲む事は大事なので確認します。
また部屋タイプが同じ範囲内で“こっち向きが好きなので”とか、
“高層階希望”といったリクエストに応えていくのも、お客さんの希望に添えることです。
ここもルームアサインの大事なポイントですね。
その他の気を付けたい点
気を付けなければ失敗につながる、代表的な点を挙げましょう。
ルームインベントリーの確認
部屋の在庫状況です。
よく「やっぱりダブルの部屋が良いんですけど」
とツイン予約のお客さんからお願いされたりします。
1泊で空いてる部屋が有れば、替えてあげられる事も出来安いと思います。
しかしこれが3泊、4泊と言った連泊の場合は、ルームインベントリー(お部屋の在庫状況)に気を付けなければいけません。
明日はダブルが満室なのに連泊の予約を替えた瞬間、ホテル全体の在庫上『明日ダブルがない!!』ということになりかねません。
前の日のアサイン
プランによってはレイトチェックアウト(通常より遅い時間のチェックアウト)を特典として付けてるものもあります。
そんなお部屋にアーリーチェックイン(通常より早い時間のチェックイン)のお客さんをアサインした場合、重なってしまいお部屋は到着時に用意出来ませんよね。
前泊者のお客さんの出発時間を気をつける必要があります。
次の日のアサイン
今度は逆に明日早めに来るお客さんの部屋に、レイトチェックアウトのお客さんを充てたら、
これまた問題です。
この場合は後泊者の到着時間に気をつける必要があります。
ルームコントローラー
大きなホテルで客室数が何百部屋もあるホテルでは、主にアサインだけを集中して行う人がいます。
“ルームコントローラー”と呼ばれたりもしますが、フロントとしての専門と呼べる業務でしょう。
ルームコントローラーは、上記のポイントをしっかり理解している経験者がつくポジションです。
そしてルームコントローラーはお部屋の清掃状況に応じて別の部屋と入れ替えたり、急な要望でお部屋を変えたりとその時の対処をフロントスタッフがスムーズに出来る様に取り計らってくれる、非常に大切な存在です。
ピンチに陥った時は対人戦略に切り替えたりする能力が必要ですが、こんな時も慣れたルームコントローラーは良き提案をしてくれます。
ある程度の決定権や現場を指示する技量も兼ね備えた人物が適してます。
なので、これができるようになったら、かなり一人前のフロントマンなのではないでしょうか。
まとめ
ルームアサインはパズルやゲーム感覚できる業務です。
アサインの感性を鍛える意味で、ロジカルなゲームをする事も頭のいい運動になるでしょう。
ロジカルな感覚を時間制限で鍛えられるので、
なんでもいいのですが、個人的にはテトリスとかでもいいと思います。
無料のアプリで手軽に活用して脳トレしてはいかがでしょうか。
また、ルームアサインは問題解決能力が要る作業でもあります。
例えば、お部屋の不具合やお客さんの急な予定変更。セールスチームや上司からの突然な要求などにリアルタイムで答えていく場面に遭遇します。
ロジカルな考え方に加えて、問題解決能力や提案力が備わっているとさらにスムーズな業務進行に役立ちます。
個々に起きた問題の本質を細かく辿ることで、効率的に問題解決に導く能力開発におすすめな本がありますのでご興味あればどうぞ。
イシューからはじめよ